ろ布づくり

ろ布づくり

手間と時間をかけた、この世にひとつのオリジナル

工業用ろ布の中尾フイルタ-では、製造工程、ろ過条件・目的・対象物に関するヒアリングを行い、最適なフィルターの製作を行っています。御社の用途に合わせてオーダーメード感覚で作る、当社のフィルターはまさに御社だけのオリジナル!こちらでは、そのフィルターがどのようにしてできるかをお伝えしてまいります。

  • 研究・開発
    部門

  • 織布
    部門

  • 不織布
    部門

  • 仕上加工
    部門

  • 縫製加工
    部門

研究開発

日々進化するろ布のニーズに応える
研究開発を進めています。

ろ過、集塵のニーズは産業の発展と共にますます高まってきています。また地球環境保全が希求される中で、産業の効率化と環境保護を両立される技術がろ布には求められています。中尾フイルターは、経験と実績をもとに独創的なフィルターを開発してまいりました。当社はお客様のニーズに応えるあらゆる可能性を求めて研究開発を進めています。

ろ布の能力には互いに反目する要素も多く、どこに重点を置くか、どの程度の性能の兼ね合いを妥協点とするかが重要です。ヒアリングではまず、ろ過の目的・ろ液の性質・固形物の性質・ケーキの生成率など、求められる能力と優先順位を検討。さらに、フィルタープレス・ベルトフィルター・遠心分離機・産廃用焼却炉などの設備や、液体用・気体用・粒子ろ過・薬品・高温化など使用条件も考え研究データを元に、最適なろ布を選出します。

ろ布の役割

  • 寿命が長い
  • 捕集性が高い
  • ろ過速度が速い
  • ケーキ剥離が良い
  • 目詰まりが少ない
  • ろ過機に取り付けやすい
  • 取り扱い、加工が容易

ろ布の性能を決める要素

ろ布には、用途に合わせてろ過の効率を十分に高めるための性能を選ぶことが必要。ろ布の性能を決定する要素には以下のようなものがあります。これらの要素を総合的に組み合わせ、当社では独創的なろ布づくりに取り組んでおります。長年にわたる研究開発の経験と、数多くの企業へのろ布提供実績をもとに、オーダーメードのろ布、そして新たな性能を持つろ布の開発を行っています。

  • 糸の材料
  • 糸のタイプ
  • 糸の太さ
  • 糸の撚り具合
  • 組織
  • 密度
  • 仕上げ加工方法

織布

数万本の糸を整える人の手。
手間のかかる作業が紡ぐ高性能

織布とは、たて糸とよこ糸を織って作る布のこと。織布を使ったろ布は、その用途により様々な規格が存在します。
中尾フイルターでは設備、用途に合わせてお客様のニーズに答えられるろ布をお届けできるよう、各種の織布製造のための設備を整えています。

織布製造の流れ

撚糸

撚糸とは、複数の原糸を撚り合わせて、一本の糸にまとめ上げてゆく作業のこと。
この撚糸の撚り方は、ろ布の品質や生産性、ろ過性能に変化を与えます。織布を選ぶ際は、ろ過する対象物・工程などを考慮したうえで最適な糸を選ぶこと。さらに、糸のタイプや材質を考慮して最適な撚り方を決定する必要があります。

整経~経通し

整経は、たて糸を所定の巾に均一に整列し、ビームに巻き上げる作業のことです。
この作業の良し悪しが、ろ布の品質を左右します。経通しは、綜光(そうこう)通しとも呼ばれ、ろ布の織り方、組織によって通し方が異なります。数万本にもなるろ布のたて糸を一本一本手作業で綜光(そうこう)に通していく作業は大変な労力。しかし、こうした労力のいる徹底した作業が、質の高いろ布を作るためには不可欠なのです。

織機

糸を整え終わったら、いよいよ製織工程に入ります。
当社ではシャットル織機、レピア織機、グリッパー織機などの様々な織機を所有。それぞれの特性を生かして使い分け、お客様のご要望に細かにお応えするろ布を織っています。

中尾フイルターの織布

液体用・気体用それぞれのニーズにお応えする当社の織布。
ろ過のあらゆる規格、用途に対応するべく様々なサイズ、織などの製品をご用意しております。また、お客様の個々のご要望にお応えするオーダーメードも行っております。ぜひお気軽にご相談ください。

不織布

フェルトろ布の高捕集性。
その秘訣はパンチングにあり。

不織布とは、糸を織らずに作る布のことで、一般的には「フェルト」の名で親しまれています。
主にバグフィルター用ろ布として活躍しています。中尾フイルターではUMEを中心に高機能フェルトフィルターを製造。有価物の回収や環境保全に貢献しています。

不織布製造の流れ

カード~ウェブ

不織布の製造工程は、圧縮梱包された原綿をほぐすことから。さらにほぐされた繊維塊を一本一本分離しながら不純物を除去し平行な繊維束にします。これはカーディングと呼ばれる作業。カーディングの設備の中には多くのロールがあり、綿が中を通ることでシート状になります。また、この時の通し方によってろ布の性質が変わります。こうして均等になった繊維束をウェブといいます。

ニードルパンチ

でき上がったウェブをシート化します。当社ではニードルでウェブを突き刺すニードルパンチ製法により、不織布製のろ布を製造しています。この時のニードルの太さや、数、ウェブの質やストローク数などで、ろ布としての性質が決定されます。

中尾フイルターの不織布

当社は不織布製品「UME」を中心に、高性能フェルトフィルターを製造しています。
有価物回収から空気浄化まで様々に対応する不織布をご用命ください。また、お客様のニーズにお応えして様々にカスタマイズ・オーダーメードいたします。お気軽にご相談ください。

仕上加工

様々な規格に見合う最良のろ布は仕上げが決め手

合成繊維製ろ布の製造過程では、仕上げ加工が重要。中尾フイルターではセット工程による品質の安定化やカレンダーによる剥離性の調整や、厳しい検査により良質のフィルター製作のための体制を整えています。

仕上加工の流れ

セット

でき上った布についている油剤や接着剤などを洗い流しローラードライヤーを用い熱を加えて乾燥させます。乾燥させ、熱を加えることで、ろ過の様々な性能を引き出し、かつ安定した品質へと向上させます。

毛焼き・カレンダー

ろ布表面のケバを焼きます。
ケバがあると捕集性が高まる代わりに、ケバがケーキに掛かるため剥離性能が低下します。そのため、圧力と熱をかけてケバを除去し表面をつるつるに加工。こうすることによってケーキの剥離性は大きく向上します。

検反

フィルター製造の最終段階は検反です。
織布の場合は織り目にムラやほつれなどがないか、不織布の場合は金属やゴミなどの混入がないか、検査機器と人間の目で一枚ずつ検査します。しっかりと厳しく検査する体制を整えることで、お客様のニーズに的確にお応えするろ布をお作りします。

品質を左右する仕上げ加工

毛焼きや、カレンダーがろ布製造工程では最も重要な加工方法であるといえます。
また、せっかく質の良いフィルターを製造したとしてもほんの少しの傷やほつれがあると、ろ過性能は大きく低下してします。安定した高品質のろ布を常にご提供する姿勢が当社の仕上げ加工には反映されているのです。

縫製加工

御社の設備に最適なサイズに縫製します!

ろ布原反が完成したら、いよいよ御社の設備に適応する形へと裁断・縫製を行ってまいります。
中尾フイルターでは事前にお客様の設備仕様をお伺いし、正確な図面をもとに縫製加工を行います。

縫製加工の流れ

バグフィルター用に裁断・縫製

集塵機はメーカーによって形状・サイズは様々。
そのため布もお客様がお持ちの設備に合わせて裁断・縫製を行う必要があります。小型・大型・高温用など、用途・設備をお教えいただければ、当社が最適な縫製をいたします。

フィルタープレス用に裁断・縫製

フィルタープレス用のろ布もバグフィルターと同様、メーカーによって様々な形状、サイズがあります。また、ろ過するスラリーによって、縫製の具合を変えなくてはなりません。当社の長年にわたって培ってきた確かな技術が、正確な裁断・縫製を施したろ布を作り出します。

あらゆるサイズ、メーカーに対応

当社のろ布、フィルターはオーダーメード、そのため御社の設備にぴったりと合う製品をお届けすることができます。また、し尿・汚泥から鉱物・食品まで処理する対象によって最適な選定を行い、御社のろ過作業効率の向上に貢献いたします。ろ布、フィルターをお探しのお客様、今まで設備にぴったりと合う製品を見つけられなかったというお客様はぜひ、当社へご相談ください!